Star T Rain 感想

©Star T Rain (mixedup)  2006
  • 初恋から失恋してから動く物語
  • つき合っていた先輩と振られるまでのシナリオは良く出来ている
  • サブヒロインのマイコの奇人ぶりや主人公のダメさなどが結構気になる
  • OP.EDムービーは非常に出来がいい
評価 シナリオ C キャラ C 総合評価 C 凡作

 
感想

Star T Rainは、恋が終わったところから始まる、少し珍しい恋愛ADVです。

主人公は憧れの先輩とすでに付き合っており、そこから失恋するところから物語が始まります。この「失恋から始まる初恋の物語」という導入は、かなり印象的でした。

最初の先輩とのシナリオは非常に出来が良いです。なぜ主人公が彼女を好きになったのか。関係の中で生まれるモヤモヤやすれ違い。そのあたりが丁寧に描かれています。

最終的には主人公の側から別れを選びます。それも「幸せになってほしいから」という理由がきちんと伝わってきて、読後感の良いエピソードでした。

ただ、この完成度の高さゆえに不満もあります。先輩との復縁ルートが用意されていない点です。別れまでの物語がここまで丁寧に作り込まれているだけに、「もう一度この二人を選べる道」があってもよかったのではないかと思います。

……ただ、その直後の展開には正直かなり戸惑いました。幼馴染から告白され、「ここから物語が本格的に始まるのか」と思った矢先。なぜかいきなり約1年が経過します。

しかも主人公は、告白の返事を保留したままダメな大人になっています。ここで共感が一気に薄れてしまいました。

ゲームをサボろうとして、サブヒロインのマイコに学校へ連れていかれる場面もあります。堕落ぶりを強調する演出です。

正直、ここまで時間を進める必要があったのか疑問が残ります。作品全体の評価を大きく下げている要因のひとつです。

この後、主人公は4人のヒロインと関係を深めていきます。

飛鳥は明るい関西弁を使うヒロインです。貧乏な境遇から「幸せになりたい」という思いが強く、それが告白の動機になっています。

この動機付けと、そこに至る展開には説得力がありました。良く出来ていたと思います。

は幼馴染でツンデレ気味のキャラクターです。本気で主人公を好きなのに、それを表に出すのが怖くて素直になれません。このキャラクター自体は非常に可愛らしく、魅力的でした。

ただしこのルートは、マイコの自分勝手な言動が目立つ場面が多いです。ルートとしての完成度はかなり低いと感じました(マイコについては後述します)。

は本編開始前から彼氏がいるヒロインです。いろいろな男性と付き合っては別れる、を繰り返してきた過去を持ちます。

主人公を気に入ると、まっすぐアタックしてくるタイプです。そのストレートな好意の示し方は好感が持てました。

七美は最終ルートにのみ登場するヒロインです。先輩と外見が非常によく似ており、動揺する場面もあります。

ただし性格は先輩と違って明るく、学校に寝泊まりしている旅人という設定です。

先輩に似た設定・外見が用意されている割に、そこを掘り下げる展開がまったくなかったのは、正直よく分かりませんでした。

一方でルート終盤の展開は驚きに満ちています。そこは評価できるポイントです。

サブヒロインのマイコは、主人公を慰めたり元気づけたり、ヒロインの背中を押したりと良いところも多いキャラクターです。物語をかき回す存在として面白い一面もあります。

ただし、主人公の親友と付き合っているにもかかわらず、その親友に酷いことを平気で言います。勝手に人の部屋に入ることも多いです。自分勝手な行動が目立ちます。

特に奏ルートでは、この自分勝手さが悪目立ちしてしまいました。良さが吹き飛んでしまうほどの不快感です。

奏自体は一途で好感が持てるキャラクターだっただけに、「ヒロインは好きだけど、ルートの出来は正直微妙」という評価になってしまったのは残念です。

総じて、先輩との別れまでのシナリオは非常に完成度が高い作品です。一方、その後の1年スキップやマイコの扱いなど、物語の中盤以降は粗が目立ちました。

特に一年スキップの展開は、作品全体の評価を大きく下げている要因だと思います。

 


Star T Rain 作品情報
基本情報タイトルStarTRain(スターティレイン)ブランドmixed up(PC版/2006年) ※PS2版は プリンセスソフト より移植・発売プレイ環境パッケージ版 初回限定版 Windows7 64bit版使用公式サイト公式サイト(アーカイブ)スタッフディレクターmi:csキャラクターデザイン・原画やすゆきシナリオ七烏未奏グラフィック監修・仕上水原優ストーリー二つ目、三つ目がある。だから初恋なんだ。パッケージ裏のSTORY INTRODUCTION必ず、星が堕ちる夜には、不安なその空を眺めていた。おれには恋人がいる。一つ上の先輩、藍田奈美。優しくて、頭が良くて、でもどこかおっちょこちょいで、オレはそんな先輩が大好きだ。永遠に続くかと思えた優しい時間。でも、わかってたんだ。ずっと好きだったからこそ、わかってたんだ。踏み出せない一歩。本当の心の在り処。……先輩の世界。あの日同じ空を見上げた先輩。ずっと近くに居ようと、俺は必至だった…… 温かいだけじゃなく冷たいーでも暖かい。そんな恋の物語。発売バージョン一覧バージョン発売日追加要素・変化点Windows版(初回限定版)2006年9月...

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