©信天爺航海録 (rail-soft) 2010
- 海賊船での航海話の珍しい作品
- いいところが無くダメ人間な主人公を中心に奇人・ヤバい人間だらけ
- 文章が独特なライターが書いたヴィジュアルノベル形式の喜劇的な作品
評価 シナリオ B キャラ B 総合評価 B 良作
-プレイ環境-
通常版パッケージ版 Windows10でプレイ
-商品説明-
企画原案 シナリオ 希 原画 キャラクターデザイン こめ
パッケージ裏に書かれているストーリー
-かつて、船があった-
あー、あー、本日天気晴朗なれど波高し。進路ようそろ、では出向信天爺航号。
積み込む荷物は横流し品に銃器爆薬飴玉お酒なんでもござれ、ただ阿片だけは勘弁な。
立ち寄る港は薄暗く、というより明るい陽の下には出られない。
なにしろ船員達は船長以下人間失格の奇人の目白押し、
脛に傷を持つ奴が当たり前、頭がおかしい奴はこの船だと当たり前。
積み込む荷物も運ぶ船員もおかしけりゃ、泊まる先々もどこか変だ。
海図にはない、有り得ない島に遭遇するし、
海往かば往ったで幽霊船や巨大怪魚やらに巡り合う。
こんな毎日、信天爺航の愉快な毎日、
潮風に当たればちょっとくらいのおつむの病気なんか吹き飛ぶ素敵な暮らし、
だからみんな乗り込んでくる-なんでか脱走したがる奴もいるけれど。
そして前途に立ちこめるは文字通りの暗雲大波、
天気最悪にして波大荒れ、しかれど船員達の意気は絶好調。
どんな大暴風雨が吹き荒れようと、
どんな三角波がおっ被さろうと、
船の中の方がもっと激しい。船員達は嵐より狂っている。
あー、あー、信天爺航、どこから流れてなにを求めてどこへ往く、
それは大いなる謎。船長だってそのあたりの事、判っていない。
あー、あー、信天爺航、どこへ往くー
-なんだ、結局みんな、この船しか居場所がないんじゃあないかッ!?-
感想
『信天爺航航海録(アルバトロスこうかいろく)』は、奇人・変人ばかりが登場する、軽妙な喜劇作品です。主人公はとにかくダメ人間で、褒められる要素がほとんどありません。しかし、その徹底したダメっぷりが逆に魅力になっており、ここまで“クズなダメ人間なのに面白い”主人公は珍しい部類だと思います。
登場するヒロインも個性の塊で、船長でありながら普段は知能が低めで皆にバカにされているのに、嵐になると突然天才的な判断を下す人物や、双子の航海士で常に寄り添っていないと精神が不安定になるキャラなど、設定だけ見ても奇人揃いです。
サブキャラも負けておらず、主人公の殺害依頼を受けているのに全く殺す気がなく、むしろ仲良くなっていく殺し屋や、一日一冊読まないと禁断症状が出る活字中毒の水夫長など、とにかく登場人物の全員が何らかの意味で“おかしい”世界観になっています。
シナリオ担当は希氏で、独特の文体が特徴的です。やや読みにくさはあるものの、読み進めるうちにクセになるタイプのライターで、ハマる人は強くハマると思います。
エロゲらしさはほぼ皆無ですが、奇抜で変わった作品としての完成度は非常に高い部類です。濃いキャラクターたちによるドタバタ喜劇が好きな人なら、間違いなく楽しめる一本だと言えるでしょう。


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